b型肝炎のガイドラインとその概要

世界でも4億人ほどの膨大な数の患者が存在するとも言われているb型肝炎は、日本でも感染が多く確認されています。日本肝臓学会などではこのb型肝炎の生態や治療方法について簡潔にまとめたb型肝炎ガイドラインというものを公開し、治療などに役立てられています。

その役割や意義、そしておおまかな内容をここでは説明していきましょう。


ガイドラインの必要性とは

ガイドラインは、治療する上で必要とされる病気の情報や治療についての情報をまとめた書類で、主に医療関係の方に利用されています。また、患者さんが病気についてより深く理解したいときにも精読し活用することが出来ます。

b型肝炎のガイドラインでは病原体のb型肝炎ウイルスの特徴、そして実際に発症したときの症状、治療方法を種類ごとに分けて様々解説しています。最近は特定の治療薬に対して抵抗することができる耐性菌と呼ばれているb型肝炎ウイルスも登場してきており、さらに症状の対応が複雑になってきているということが見て取れます。

ガイドラインの内容もそれに応じる形で複雑化しており、より専門的な知識が必要になってきています。一方で内容の複雑化によって治療方針がより明確に立てやすくなっているとも言うことが出来、現代の医療技術、そして生物学の研究技術の向上が確かに存在することが見て取れます。

ガイドラインの中には研究によって得られたデータを比較するための図やグラフが頻繁に登場し、実際に数字を見てどのように治療すべきかを考える手助けになるような構造になっています。なお、ガイドラインの最後のあたりには情報の出典が記されており、このガイドラインの信頼性の高さを示しています。


治療方法を深く考察する項目

日本肝臓学会が公開しているガイドラインでは、まず初めに総説として病気の大まかな情報を解説しています。主に病気の進行度の具合や年齢ごとの感染の違いなどについて触れられています。b型肝炎には持続感染という長期間感染し続ける状態が存在し、主にその治療について扱っている項目が多く見て取れるでしょう。

b型肝炎の特徴について解説した後は治療する目標や治療するための薬、そして治療する対象についても触れており、b型肝炎の治療に不可欠な情報を分類ごとにわけて解説されています。

治療目標では、「患者の生命を維持し、生活の質を上げること」を前提に話を展開しています。その次の治療薬の欄では治療方法における複数の治療薬についての比較と、開発の時系列について触れています。治療薬の効能の差や実際に効果が出る確率、副作用などの情報は現代の医療においては不可欠な情報なのです。

その次の治療対象の欄では年齢、肝炎の進行度などを踏まえてどのように重点を置いてb型肝炎の治療をすればよいかについて解説しています。実際に治療対象になるか、肝硬変の危険性やがん発症のリスクを踏まえた議論などがここでは行われています。

このように、後の項目でより複雑な説明を行う前に前提条件として開設すべきことをここでは記述しています。


治療薬に関する項目

治療薬については、薬の種別に基づいてそれぞれしっかりと考察をする必要があります。ガイドラインではINFや核酸アナログ治療についてそれぞれの特徴を特に詳しく解説する欄があります。

IFN、インターフェロンは古くから用いられていた治療薬であり、体内の免疫をコントロールするサイトカインという物質の中の一つです。治療期間が他のものとは異なり、さらに耐性菌を生み出しにくいという古典的方法ならではの強みがある治療をすることができます。

一方核酸アナログ治療は、b型肝炎が増殖する際に起こる逆転写反応に用いられる化学物質である逆転写酵素の働きを阻害することを目標にした治療方法を指します。すぐに効果が見られ、持続性も高いためこちらもよく採用される治療方法です。

しかしながら、投与を中止してしまうとすぐに症状が元の悪い状態に戻ってしまいます。さらには核酸アナログ治療で使用する薬品は複数あり、それぞれの特徴もここで紹介されています。ところで、核酸アナログ治療で使用する薬品にはそれぞれの種類に対して耐性菌が存在することがわかっており、その詳しい情報についてもガイドラインでは扱っています。

また、治療を中止すべきかどうかの条件の判断を助ける情報も記載されています。

症状の対応についてのガイドライン

b型肝炎では慢性肝炎や肝硬変など様々な症状の体系があり、それぞれにおいてどのように治療すればよいのかこの欄では扱っています。b型肝炎の治療では重点が置かれている慢性肝炎と肝硬変については多くの情報が扱われており、それ以外の急性肝炎や劇症肝炎、b型肝炎の再活性化など対応が特殊なものは分けて記述されています。

このように症状ごとに明確にわけ、それぞれしっかり深い個所まで触れることでより適切な治療のための判断を助けています。慢性肝炎と肝硬変はb型肝炎の治療では注意が向けられる事柄であり、ガイドラインでは多くのページを用いて解説されています。

また、劇症肝炎はおよそ4割がb型肝炎が原因で発症することが知られており、b型肝炎を治療する際には注意が必要な病気ということができます。一方急性肝炎は自然治療で克服することが出来る場合が多く、重症さえしなければ治療の優先度が低いということを述べています。

HIVとの重複感染についての情報

b型肝炎はHBVとも呼ばれていますが、名前の似ているHIVと重複感染してしまうことがあります。HIVはヒト免疫不全ウイルスを指し、これによって引き起こされるのがエイズです。HIVは免疫機能に異常を起こし、他の病気と合併して症状を起こすことが多くあります。

b型肝炎もその一つで、治療における問題点や注意すべきことなどを詳しく解説しています。欄の最後には、抗HBVの効果がある抗HIVの治療薬の一覧表が掲載されています。

→注射器の連続使用で感染?知っておきたいb型肝炎の話

ガイドラインを読む

実際にb型肝炎を治療する際は医者は患者とよく相談して決めることになります。ガイドラインは基本的には医療関係の書類であり、専門知識を用いて内容を理解していく必要のある書類です。しかしもしb型肝炎についてもっと知りたいというのであれば、このガイドラインをしっかりと読むことでb型肝炎への理解が深まることがあるかもしれません。